猫はなぜ、毛を取る必要があるか知ってしますか?猫は、犬と異なり毛づくろいのために体を舐めます。
グルーミングといい、グルーミング時は毛を舐め飲み込んでいます。猫が吐いているのは、グルーミングで飲み込んだ毛玉を吐いているからです。
「グルーミングをするならわざわざ毛を取らなくてもいいのではないか?」と疑問に思う方もいるでしょう。
本記事は、猫の毛を簡単にとる方法や必要性などについて紹介します。
目次
猫の毛をとるのは何故?ブラッシングは必要?
冒頭でもお話ししましたが、猫はグルーミング時に毛を体内に飲み込みます。飲み込んだ毛は、毛玉として体外に吐かれます。
猫は毛玉を吐くと認識されていますが、好きで吐いているわけではないですよ。グルーミング時にどうしても飲み込んでしまうからです。
猫の毛は、食べ物ではないので消化されず胃に溜まります。胃に溜まると毛のため他の消化すべき物が消化器官を通過できず食欲不振の原因になります。
飼い主がブラッシングをすればグルーミングせず毛玉を飲み込むのも防げます。愛猫が食欲不振で苦しそうにしているのは、飼い主にとって見たくもないし、苦しいものです。
毛玉による食欲不振・嘔吐防止の他に、ブラッシングはコミュニケーションやストレス緩和などの効果もあります。
ブラッシング以外の効果は以下の通りです。
- 毛のもつれ予防
- 猫とのコミュニケーション
- 猫のストレス解消
- 皮膚状態など健康管理
- マッサージ効果(皮膚の結構改善による皮膚病予防)
- 抜け毛がなくなる事で体温調節の効果がある
ブラッシングは、猫の身体的・精神的にも大事な事です。「猫はストレス溜めなさそう」と思う方もいると思います。
しかし、猫も「引っ越しによる環境の変化」「新入り猫」「頻繁な来客」等いつもと違う事が起こるとストレスが溜まり健康にも支障をきたします。
そのためブラッシングは、愛猫が安心・健康的に暮らせるようにする大事な事です。また、ブラッシングは人間にとっても良い意味があります。
人間にとって良いことは以下の通りです。
- 室内の衛星を保てる
- 電化製品が長持ちする
(猫の毛はダニやほこりが付きやすく、アトピーアレルギーの原因となる)
(猫の毛が電化製品の隙間に入り込み故障の原因となる)
よくテレビ台の上など電化製品の上にいますよね。「かわいいな」と思うかもしれませんが、知らぬ間に隙間に毛が入り込んでしまっているかもしれません。
短毛や長毛関係なく、毎日ブラッシングしましょう。
猫の毛をとらないと病気になるのかな?
ブラッシングをしない事で。起こりうる病気は以下の通りです。
- 逆くしゃみ
- 毛球症
- 熱中症
猫が毛玉を吐く時に、逆くしゃみというのがあります。「逆くしゃみ」とは、急速に空気を鼻に吸い込み、異物を除去しようとする生理現象です。
愛猫が鼻をブーブーと鳴らし、苦しそうに首を前に伸ばすようなしぐさを見たことありませんか?あれは、毛玉を吐きだそうとしているからです。
ブーブーと音が出るのは、空気を勢いよく吸い込むと細い鼻腔へ空気が勢いよく通り、気道が狭くなり音がでます。
逆くしゃみは、生理現象ですが、頻繁なくしゃみやくしゃみ後に倒れたりけいれんを起こしたりしたら病気の可能性があります。
けいれんや頻繁なくしゃみが見られたら獣医に相談しましょう。
グルーミングで飲み込んだ毛が多いと、体外に吐きだすことができず胃に溜まってしまいます。
胃に溜まる事で消化器官や胃の粘膜に毛が張り付いて胃から小腸への出口を塞いでしまい詰まってしまいます。
詰まる事で消化できず食欲不振や、吐き気、便秘などの症状が出ます。特に換毛期や長毛猫でブラッシングがされていない場合に起きやすいです。
毛球症のチェックポイントは、以下の通りです。
- 元気がない
- 食欲不足・水を飲まない
- 下痢・便秘
- 腹部を触られるのを嫌がる
治療法は、毛玉を除去するために毛球除去剤を舐めさせて、胃から小腸の中の毛玉を便とともに排出させます。
対策は、毎日のブラッシングと毛玉対策用のフードを使う事です。毎日のブラッシングで抜け毛を取り除き飲み込む毛の量を少なくすることで毛球症を予防できます。
毛玉は吐くほかに排泄物として体外にだされるので、毛玉の排泄促進するフードなどもあります。フードを見直したいときは、まず獣医に相談してから決めましょう。
猫でも熱中症になります。ただ、犬より熱中症になりにくいだけです。暑い部屋や車内などにいると熱中症になります。
人間と違い犬や猫は、体温調節が難しいので人間にとっての「少しだけ暑い」は、犬やねこからしたら「すごく暑い」に入ります。
熱中症にならなくても夏バテする事もあり、食欲不振や嘔吐など消化器系の症状が多いです。これらの症状が見られたらすぐに病院に連れて行きましょう。
人間の感覚で放置や過ごさせると、熱中症は悪化します。
嘔吐が続く場合は、水分の多いウェットフードや水の容器を家中においていつでも飲めるようにするのもいいですね。水は交換せずにほこりやゴミが浮いた水を飲ませる人もいるので、数分置きに交換しましょう。
また、暑いからと氷を入れた水を飲ませようとする人がいますが、冷たい飲み物は胃腸の動きを低下させてしまいます。
人間用のスポーツドリンクを薄めて与える人がいますが、人間用は砂糖が多いので猫にとっては糖尿病など病気になるリスクが高いです。
常識的に人間の食べ物・飲み物は与えないのが普通ですがね。必ずペット用の飲み物・食べ物を準備しましょう。
猫にとっての快適気温は、ドライ機能の気温がちょうどいいですね。猫の夏バテは夏より5~6月頃の「クーラーは早いか?」という微妙な時期になりやすいです。
長毛猫や子猫・老猫が熱中症や夏バテしやすいです。毛が長いと熱が逃げにくく熱がこもり熱中症や夏バテになりやすいです。
サマーカットやブラッシングで毛を少なくし熱を逃がしやすいようにする事が必要です。
猫の毛を簡単にとるアイテム
猫のブラッシングで必須なのが、猫用ブラシです。猫用ブラシの他にグローブ式などもあります。
猫用ブラシも猫用であれば何でもいい訳ではありません。ブラッシングが痛かったりと一度嫌な思いをさせてしまうと、その後は触らせもらう事さえできなくなります。
猫用ブラシを選ぶポイントは以下の通りです。
- 愛猫が嫌がらない
- 飼い主が使いやすく苦に成らない
- 仕上がりがいい
- 毛が良く取れる
ブラッシングでも「毛を取りたい」「毛づやを良くしたい」など用途は様々です。その子の性格や毛の状態を重視して選びましょう。
ブラッシングが苦手な子向け「ラバーブラシ」
このブラシは、ゴムやシリコンで作られており、マッサージするように優しく使えるのでブラッシングが苦手な子に負担をかけません。
ブラシにしっかりと抜け毛が張り付きやすいので、床や服に落ちることなく掃除も簡単です。
毛づやを良くしたい「獣毛ブラシ」
毛をツヤツヤしたい時に使うブラシです。特に長毛の猫は毛先が不揃いのハードタイプ、中毛や短毛種は毛先が揃ったソフトタイプがいいですよ。
換毛期の時に使う「アンダーコート用ブラシ」
換毛期にはアンダーコート用ブラシがおススメです。アンダーコートのみを取り除けます。ただ、アンダーコート用はブラッシングするほど毛が抜けてしまいます。
アンダーコートを取り過ぎるとトップコートまで傷んでしまうのでやり過ぎないように注意しましょう。
毛玉をほぐし毛並みを整える「コームタイプ」
毛玉をほぐしたり、毛並みを整えたりした時は、コームタイプがおススメです。毛並みを整える他に皮膚のマッサージにも効果があります。
もつれた毛や絡んだ毛をほぐす「ピンブラシ」
長毛や短毛で、毛が絡みやすい子の毛をほぐす効果があります。マッサージ効果もあり、ポンポンと優しく叩くようにブラッシングするといいですよ。
ただ、ピンブラシは先端が尖っている物もあるので丸くなっているのを選びましょう。
長毛猫の毛をほぐす「スリッカーブラシ」「ペットブラシ」
長毛は毛が絡まりやすいので、ほぐすにはスリッカーブラシがおススメです。
ブラシの他に「ペットブラシ」という物もあり、グローブにブラシが付いており撫でながら毛が取れるというものです。
手で体を撫でる感覚と一緒なので、愛猫も嫌がらずにブラッシングさせてくれます。むしろリラックスするほどの効果があります。
手にはめて撫でるだけなので、初心者でもでき皮膚を傷つける心配もないです。
猫の毛が服に付いた時に素早く取る方法
猫の毛が服に付いた時の対策を紹介します。
- ガムテープ・コロコロ
- エチケットブラシ
- 水で濡らした手で撫でる
- ペット用洗剤で洗う
ガムテープ・コロコロは愛猫がいる家庭には必需品ですね。粘着力があるので毛も取れますが、やりすぎると服の繊維まで取ってしまうので注意しましょう。
猫用のブラシもあれば、人間用のブラシもありますね。ブラシでも100均で安く手に入るものもあります。ガムテープやコロコロより経済的にいいですが、エチケットブラシは静電気が発生するのが欠点ですね。
静電気は猫の毛やほこりなど空気中に漂っているゴミなどを引き寄せてしまいます。
水で手を濡らして服をなでると、毛が取れます。静電気は毛を引き寄せますが、水は静電気を放電させるので簡単に毛が取れます。
コロコロや水で手を濡らすなど以外で楽をしたい方は、ペット用洗剤がおススメです。ペット用洗剤を使う事で、服に付いた毛もきれいに落ちます。
完璧に取るのは難しいですが、人間用の洗剤よりは綺麗に取り除くことができます。
猫の毛が付かないようにするためにやるべき事
猫の毛が付かないようにする対策は以下の通りです
- 猫の毛が付きにくい素材の服を選ぶ
- 静電気を抑える柔軟剤を使用する
- 毎日のブラッシング
- 風呂に入れるなど体を綺麗にする(無理やりしない)
- 毎日の掃除(猫ハウスやおもちゃなども)
- クリーニングでリファイン加工をしてもらう
- 洗濯物を絶対に床に置かない
毛が付きにくい素材は、「デニム」「ポリエステル」「革」「サテン」「ナイロン」です。
特にサラサラやシャカシャカした素材は、毛が付きにくいです。
逆に毛が付きやすい素材は、「フリース」「ニット」ですね。ニットやフリースは、毛が落ちにくかったりします。
服の他にソファなどの家具選びの時に参考になりそうですね。
静電気で毛が付くので、静電気を抑える柔軟剤を使えば静電気を抑えられ毛もつかないでしょう。
柔軟剤の香りの好みは、個人によって違います。しかし、柔軟剤の匂いが苦手な猫もいるので無香料や愛猫が苦手ではない香りのものを選びましょう。
毎日ブラッシングをすることで、抜け毛を少なくする事ができます。抜け毛の防止の他に、ストレス解消やマッサージ効果もありますからね。
お風呂が好きな子や嫌いな子に分かれますよね。お風呂に一度入れると毛が沢山取れますが、頻繁なお風呂や無理やり入れるのはやめてください。
無理やりするのは、愛猫にとってはストレスとなるので愛猫の様子を見ながら考えましょう。
カーペットやベッドの他に、猫用ベッド・ハウス、おもちゃなどにも毛が付いています。
毛が付いたまま放置すると、空気中に舞い服や布団などに毛が付く原因になります。なので、毎日猫用グッズなども掃除することが大事ですね。
リファイン加工とは、肌触りや質感をなくした服を元に戻すというものです。この加工をすることで、静電気を防ぐことができます。
洗濯前・洗濯後の服を床に置くと猫の毛が付いてしまうので床に置かないようにしましょう。脱いだ服や服の保管は、猫が立ち入れないようにする対策が必要です。
まとめ
猫=吐くと認識されていますが、猫の吐くでも様々な理由があります。単純に毛玉だったり、ストレス・病気などですね。
しかし、「吐いた」と簡単に思わないでください。毛玉が原因で消化器系などに異常をきたす場合が多いです。
吐くのは人間も動物も体力や精神的にも辛いです。特に猫は吐くのが日常的とはいえ、毎回吐くのは疲れるでしょう。
愛猫が吐く姿をみるのは、見たくありませんしね。飼い主がブラッシングなど、愛猫が吐かずに過ごせるように整えてあげる事が大事です。
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