クリスマスローズの種類と名前、品種の特徴は?

クリスマスローズと聞くと、誰もが「クリスマスに咲くバラ」と思いますよね。クリスマスローズは、1月~4月咲いたり12月に咲いたりと種類によって開花時期は異なります。

時期は多少違いますが、冬の間に咲くクリスマスローズは皆同じですね。ピンクや白など鮮やかな花と「クリスマスローズ」という素敵な名前により、多くの方に愛されています。

人気者のクリスマスローズですが、他の名前や種類があるのを知っていますか?意外と知らない方が多いと思います。

本記事は、クリスマスローズの種類や特徴などについて紹介します。

目次

スポンサーリンク

クリスマスローズはどんなお花

白 クリスマスローズ

クリスマスローズは、寒さに強く、日陰でも育ちます。初心者方向きの花なので、きちんと育てれば3年ほど花を咲かせられます。

クリスマスローズの開花時期は、1月~4月ですが、種類によって12月に咲くクリスマスローズもあります。他の花と比べると、冬に綺麗な花を見られるのはいいですね。

クリスマスローズの色は、白やピンク、赤、イエロー、グレー、グリーン、アプリコットなど多くのカラーバリエーションが出てきています。

色の他に、花びらが丸い・尖っている・花びらの中に挿し色が入っているクリスマスローズもあります。

愛好家がいるほど人気のクリスマスローズですが、美しい色合いや名前の他に育てやすいという点も人気の理由です。

種類豊富
花びらの形や色が豊富なので、自分好みのクリスマスローズが育てられるのはいいですね。

日陰でも育てられる
花を育てるには、光合成が必要ですがクリスマスローズは日光でも日陰でも育つのでマンションなど日があまり当たらない場所でも育てる事ができます。

寒さに強く開花時期が冬
冬の時期の花屋に置いてある花は、どれも寂しい印象を受けるものが多いです。しかし、クリスマスローズは、12月~4月にかけて咲き、色合いも美しいので冬でも花を楽しめる事ができます。

存在感が強い
クリスマスローズは、上向きの他に下を向いて咲くものが多いです。他の花と比べると控えめな印象ですが、色鮮やかな花びらが存在感を引き立たせます。

クリスマスローズの種類、名前

クリスマスローズ 白ピンク

クリスマスローズは、「クリスマスローズ」が正式名称ではありません。「ヘレボルス・ニゲル」という正式名称で、「レボルス属のうちのニゲルという品種」を指しています。

名前の由来は、「ヘレボルス」は、殺すという意味・「へレニン」は、食べるという意味、
「ニゲル」は根が黒いという意味から来ています。

「殺す」など物騒な言葉がありますが、クリスマスローズは毒を持っており戦争に利用されていたことがあります。

なぜ、物騒な名前から素敵な名前に変わったのかというと、原産地のヨーロッパのクリスマス文化が関係しています。

ヨーロッパは、12月のクリスマスになると、花を飾る風習があります。しかし、冬のヨーロッパは寒さが厳しく飾り付ける花がありませんでした。

しかし、クリスマスローズは開花時期が冬という事がヨーロッパでは珍しく、クリスマスに咲く花という事を表すように「クリスマスローズ」と名付けられたと言われています。

ローズと名がついていますが、愛称であり本当はアネモネなどのキンポウゲ科に属している植物です。

クリスマスローズは、キンポウゲ科のヘレボルス属の植物です。

ヘレボルスは、約20種類程ありその内、茎のある有茎種が3種、中間種が2種、茎の無い無茎種が17種の3つの種類に分類されます。

  • 有茎種:アゥグチフォリウスやフェチダス
  • 中間種:クリスマスローズを別称で指すニゲルやヴェシカリウス
  • 無茎種:オリエンタリスやアトロルーベンス

20世紀後半のイギリスでは、無茎種のオリエンタリスと他の花を交配し品種改良する事が盛んとなり、レンテンローズやガーデンハイブリッドなど多くの種類が生まれています。

クリスマスローズの原種である「ヘレボルス・ニゲル」は、純白の花で人気の品種です。他にも様々なクリスマスローズがあります。

  • 中間種のヴェシカリウスは、グリーンの花の周りが赤みを帯びている
  • 無茎種のアトロルーベンスは、外側が小豆色で内側は緑色をしている
  • 有茎種のアゥグチフォリウスは、グリーンの花をたくさんついている
  • 有茎種のフェチダスは、1.5cmの小さなグリーンの花で先端は赤く、垂れ下がって咲く

また、品種改良したガーデンハイブリッドも様々な色があります。

  • 赤色系:明るい赤から黒っぽい深い赤など
  • ピンク系:淡いペールピンクから濃いローズピンクなど
  • 黄色系:斑点の入った物は黄色が濃くでる色が多い
  • グレー系:落ち着いた色が特徴
  • グリーン系:翡翠などの色合いがあるのが特徴

今まで、クリスマスローズは1種類しかないと思っていましたが、様々な種類・名前があるのですね。

クリスマスローズは種類によって育て方が違うの?

ピンク クリスマスローズ

基本的にクリスマスローズで、品種改良されたものは育て方は同じですが、ヘレボルスの原種は、育て方が異なります。

種まき時期
ガーデンハイブリッドやヘレボルスの原種は、9月~10月中旬までに種まきを済ませます。遅い時期に種まきすると、種から根が出始める事で根が傷つき病原菌が種の中に入り込んでしまいます。

発芽や植え替え時期
発芽時期は、ガーデンハイブリッドが1月、ニゲルは2月になります。

この時期の植え替えでは、根がガーデンハイブリッドでは苗の3倍、有茎種のアーグチフォリウスなどは苗の10倍ほどに伸びているので、根を傷つけないようにしましょう。
さらに10月頃また、植え替え日光と肥料を十分に与える必要があります。クリスマスローズは、発芽して2年目で花が咲きます。

原種のヘルボルスで注意が必要な花は、ニゲル、ヴェシカリウス、チベタヌスなどです。

ニゲル
発芽後に双葉が開いたら、肥料・水・多めに与え、春と秋になったら土をほぐすと育ちます。

ヴェシカリウス
原産地が中東の砂漠なので、水はけの良い鉢に植えましょう。庭に植える場合は、砂漠環境に近い土を使うなどなるべく砂漠環境に近づける必要があります。

チベタヌス
中国からの輸入苗で根が短く切られているので、早く植え替えたほうがいいです。有茎種のヘルボルスは、開花終了後に新しい茎が、古い茎と同じ高さに伸びてくるので、古い茎は取り除きましょう。

ただ、新しい茎が同じ高さまで伸びてきたら切ってください。

クリスマスローズ人気ベスト5

紫 クリスマスローズ

クリスマスローズは、3種類の花びらがあり、一重のシングル、二重のダブル、アネモネ咲きが特徴のセミダブルがあります。

シングルは、初心者でも育てやすく、害虫・病気にも強く発芽から2年で開花することから人気の品種です。

1位 シングル 赤(赤黒)
クリスマスローズの中で一般的なシングル色です。

クリスマスローズの赤は、鮮やかな赤や濃厚な赤など様々な赤色がありますが、1種類の花から単色の濃淡な色がでるのは非常に珍しいです。

2位 シングル 糸ピコティ
糸ピコティは、シングルやダブルの花の縁に糸のように線が入る覆輪(ふくりん)の事を指します。縁取りが絹糸のような繊細で気品があるため人気が高いです。

3位 シングル ブルーブラック(ブラック)
黒に近いくすんだ青か黒で、造花のようで新鮮で希少です。葉も全体的にくすんだ茶色で、落葉樹があるお庭には雰囲気がマッチします。

クリスマスローズの原種であるニゲルは、品種改良されたクリスマスローズの中でも最もシンプルで人気のある種類です。

ニゲルは、他の花と交配される前の原型を美しいままとどめているので希少な花と言われています。

4位 八重咲ニゲル種
ニゲルの白い花は、純白に近い真っ白な色が特徴です。

オリエンタリスという品種は、今では「クリスマスローズ」と呼ばれており園芸上級者向きの大人気の品種です。

正式名称は「レンテンローズ」と呼ばれるニゲルとは異なる品種です。ダブルの種類に入りますが、大半は品種改良されており八重咲のような華やかなものが多いです。

5位 オリエンタリスダブル スポット系
斑点のスポットが花びらの先にむかって広がって大輪の花を咲かせるのが特徴です。

クリスマスローズは初心者にも育てられる?

クリスマスローズ 白

クリスマスローズは、日陰でも育つので初心者の方でも育てられます。クリスマスローズは種から育てますが、初心者は株を購入した方が失敗しないです。

庭植えの場合は、長時間直射日光にさらさず、水はけの良い半日陰の場所に置いた方がいいです。

鉢植えの場合も半日陰で管理したほうがいいですね。クリスマスローズは直射日光に弱いのでなるべく半日陰で育てましょう。
過湿にも弱いので、梅雨の時期は室内や大きな木の下に植えるなどなるべく雨に当たらないようにするのがいいです。

スポンサーリンク

クリスマスローズは、頻繁な水やりは必要ないです。夏場は休眠期になるので頻繁な水やりは不要で、秋から冬の間は乾かし気味に管理するので土が湿っている時は水をあげないでください。

鉢植えの水やりは、鉢底からミスが流れるまでの量で水をかけましょう。ただ、葉の裏に害虫が付いている事があるので、洗い流すように葉の裏まで水をかけてください。

肥料も冬から春にかけて1週間から10日に1回を目安に液肥与えましょう。ただし、夏や秋に肥料を与えると、株を傷めてしまうので冬~春以外は肥料を与えないでください。

クリスマスローズは、灰色かび病、立枯病、モザイク病、ブラックデスなどかかりやすい病気が多いです。

特にブラックデスは、全体に黒い斑点ができ株が縮んで枯れてしまいます。ブラックデスを発見次第株ごと処分しましょう。

害虫も春から秋にかけてハモグリバエ、ヨトウムシ、アブラムシ、アザミウマ、ハダニなどがいます。

特に、アブラムシはブラックデス等のウイルスを媒介するので発見したら防除しましょう。

育てる上で注意する点

植え替え 

初心者でも育てられるクリスマスローズですが、育てる上で注意すべきなのは毒です。

クリスマスローズは、根から茎・葉にかけて全体に毒があります。茎・葉:茎や葉から出る汁に触れると皮膚炎などの炎症や苦痛が数分間続いたりします。汁が付いたらすぐに患部を洗浄し、毒を洗い流しましょう。

死に至る毒ではありませんが、手入れの時は素手で触らず手袋を忘れずに。

根には、ヘレブリンという毒があり摂取すると以下の症状を引き起こします。
嘔吐、腹痛、下痢、けいれん、呼吸麻痺、めまい、精神錯乱
心拍数の低下、心停止
目、口、喉などの粘膜が、爛れる・腫れる
流涎、腹部痙攣、下痢、神経系の病気

クリスマスローズは、食用ではありませんが何かの拍子で口や粘膜に触れてしまう可能性もあるので、取り扱いには注意しましましょう。

まとめ

白ピンク クリスマスローズ

クリスマスローズの名前の由来や種類などを紹介しましたが、クリスマスローズに正式名称がある事に驚きました。今まで、クリスマスローズという名が、正式名称だと思っていましたから(笑)

クリスマスローズの育てる注意点さえ理解していれば開花できますが、毒があるのを忘れないでください。

クリスマスローズに限らず、毒をもっている花もあり店側も毒に注意する事を前提に販売しています。

「毒があるなんて知らなかった」「毒をもつ花を売るなんて非常識だ」などと思う方もいるかもしれませんが、園芸は危険な花もあるのを承知の上で注意して手入れするのが園芸ではないでしょうか?

花を育てると決めた時は、毒がある花もある事を前提に育てたい花の特徴や育て方を調べた上で購入・育てましょう。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です